印傳屋上原勇七

印傳屋 上原勇七

江戸時代、遠祖上原勇七(現十三代)が鹿革に漆付けする独自の技法を創案、ここに甲州印伝がはじまったといわれています。この技法により作られた巾着、莨入れ、早道などは、当時の上層階級にたいへん珍重されました。
江戸後期に数軒あったといわれる印伝細工所のうち、時の流れのなかで、印傳屋だけが唯一残りました。その理由は、「技」の継承を代々の家長「勇七」のみに口伝されたことによります。伝承技法などは、現在では印伝技法の普及のため、公開されています。
1987年、甲州印伝は経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定。印伝の伝統技は、生活を彩る実用美として、稀少な日本の革工芸の文化を伝える担い手となっています。